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切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

塗り絵の「鯉と蓮」から⑥

「夕辛夷ドガの少女は絵に戻る」(河村信子)

今日は、息子の誕生日。出産の前後は実家に戻っていたので、庭の大きな木蓮の木がこの時期になると見事に咲き乱れ、庭から祝福を受けているようでした。

「烈火の辛夷の白を旗じるし」(殿村莵絲子)

昨日今日はよく冷え、桜はまた待たせます。辛夷の花も中々散り出さないのでしょうか。車窓から見える山並みに白く映るのが辛夷。今日はテレビでは一日、証人喚問の風景に分析でどの局も賑やかでしたが、さてこれは果たしてわれら国民の税金を使ってまで時間を割かないといけない課題なんでしょうかしら。

「花こぶし汽笛はムンクの叫びかな」(大木あまり)

 

漸く完成です。長い道のりでした。

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塗り絵の「鯉と蓮」から⑤

「先ず彼岸桜に集ふ旅となる」(稲畑汀子

新宿御苑に先日訪れると皆が気になるのは桜の動向なのでしょうね。園を出ると「咲いていましたか?」があいさつに。ソメイヨシノは、陽だまりにあるのが漸く、花ビラが覗きだしたのが一つ二つ。標準木のある靖国開花宣言には三つではだめで、5から6輪咲くと開花となるのだとか。先走り、人が集まっていたのは、「陽光」という緋色のでした。鳥まで群がり、行く人が幹の名札を見ようとすると、鳥の雨に逃げ出す事の繰り返し。「桜を待つ」とは、日本人のDNAなのでしょうね。

 

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「彼岸桜ほつほつ別近くせり」(山崎靖子)

テレビドラマ「カルテット」が終わってしまいました。あの歌が流れる店があると出らてなくなってしまいます。このロスを埋められる次なるドラマは何でしょうね?「煙」の存在の問いかけに答えるように歌う車の中の四人が良かったです。Merci pour tout!

 

もうすぐ仕上がりです。

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“La vérité recule, mais le savant avance.”

 

 

 

 

 

塗り絵の「鯉と蓮」から④

「寄り添ふて一本づつの土筆ん坊」(熊谷みどり)

土手にも路地裏にも見つけられなかった春告げの土筆をひょんなところで見つけました。駅前のロータリーの街路樹の植え込みの隙間でした。

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「売れ残る方寸の地に土筆伸ぶ」(岸はじめ)

関東の春は少し早いのでしょうか。さて、神戸に帰りますが、隣の空き地にはカラスノエンドウは咲きだしているでしょうかしら。

「つくしんぼう根っ子の方に笑い声」(北原武己)

新宿御苑には必ず出向いて、落羽松の様子を見るのが習慣になってしまっていますが、今回はまだ枯れ木のままかしらと思えば、枝にはよく見ると土筆の先のような新芽がチクチク出ていました。

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「大木の芽ぶかんとするしづかなり」(長谷川素逝)

今日の気温は10度にもならない雨だとか。また桜の蕾も閉じてしまうでしょうか。

 

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“Les yeux seuls sont encore capables de pousser un cri.”

 

 

 

塗り絵の「鯉と蓮」から③

「一樹ただうすももいろに花杏子」(新実貞子)

今日は彼岸。よく言う暑さ寒さも彼岸までと、まさに今日は18度とか。桜の開花も早まり25日が23日になったとか聞かれますが、まだ蕾は固く閉ざされたまま。そんな街路沿いを昨日散策していますと、一本人の足を留める木が現れました。

「杏咲きはるかなるもの呼びさます」(川上恵子)

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皆、近づいて何の木かと歩み寄ると、何と親切な住人でしょうか。樹の幹に札がありました。「あんずです」と。

そういえば、実家の裏庭にも一本ありました。杏子ジャムにした覚えがありますが、さて今は伐採されてしまったでしょうか。

「梅の花追ひて杏の咲きにけり」(原田敦子)

梅と桜の隙間を埋めるように、春へのバトンリレーをしているようです。

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 “Une bouchée du fruit d'immortalité vaut mieux qu'une indigestion d'abricots.”

塗り絵の「鯉と蓮」から②

「風吹かず桃と蒸されては桃は八重」(細身綾子)

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風は無かった訳ではなく、この写真からも察せられますように、鯉が勢い平行に泳いでいましたから少し冷えましたが、日差しは春爛漫。見事な黄色と桃色と空の青さ。中川の河畔を生かした町おこしの一環の花桃祭りに足を延ばして行ってきました。桃は、梅のような楚々とした感じでもなく、桜のような潔さもなく、正にこの句の如く、ぼってりムンムン、鯉がこんなに元気に泳いでも花びらはビクともしません。

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「人間へ塩振るあそび桃の花」(あざ蓉子)

 

蓮と鯉の間の唐草模様が実に難しく、二ミリの丸刀を使って先に丸く切ってから渦にしますが、中々思うようにはいっていません。

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“Le meilleur repentir est de ne plus pécher.”

塗り絵の「鯉と蓮」から①

「入り彼岸残る寒さに愚痴こぼす」(小野寺節子)

昨日は彼岸入り。いつもですとよく寒戻りでよく冷えるのですが、ここ数日珍しく晴れ間が続くようで、今日は18度まで上がるとか。桜も急いで開きだすのでしょうか。それでも、意外にダウンジャケットを着ている方が居られます。

「黙座す座禅草見る入彼岸」(佐藤洋子)

温かい日になり、ぶらり吉祥寺に立ち寄ってみましたら、座禅草ではありませんが、賑やかな商店街の一角に忽然とある古いおうちの裏庭に花大根が咲き乱れていました。

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白い花が見えるのは花韮。すぐ近くはハーモニカ横丁と、何とも喧騒なのですが、ここだけ春の園になっています。

 

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これはそのおうちの玄関です。さあって、この木?こういうのが自然に溶け込むのが吉祥寺の良さなのでしょうか?古いものと、とっても若い方風の店とが不思議に融合する街ですね。 

 

 仕上げた写経の背景に合う柄を塗り絵ブックから探して選びました。鯉と蓮の模様です。少々細かく時間かかりそうで、少しずつアップします。 

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La plus ancienne de toutes les sociétés, et la seule naturelle est celle de la famille.

 

二つの丸の写経⑤

「不合格しづかに踵かへしけり」

「卒業す翼もたざる者として」(井出野浩貴)

今この時期、いろんな節目に立たされて居られる方も多いでしょうか。昨日も袴姿の若さムンムンのお嬢さんを何人も見かけましたが、今の主流は晴れ着から袴なのでしょうか。袴の色も様々になりましたね。でも、まだ入試の最後の砦に向かって踏ん張る方もあるでしょうし、そろそろ予備校の願書を取り寄せる親御さんもあるかと思うと、三寒四温の冷えで実感出来るのかもしれません。

「卒業の涙はすぐに乾きけり」(今橋眞理子)

交々の季節ながら、あっさり消えてしまう節目なのかもしれませんが、話題の森友学園問題は「知らない知っている」などと言い合うだけで、結局立証できずにうやむやで終わるのでしょうか。隠匿の匿のつくりは、「隠しがまえ」というのだそうですが、いかにも納得ですが、似たものに「はこがまえ」というのがあり、今ではその区別が意味からでも限定できず、「はこがまえ」になってしまっているのだとか。

「下心、隠し構へといふ部首にあるを君らは知るか 知るまい」(竹山広)

 

切り絵は脳をリセットするのに効果があるとかで、写経に通じるものがあるのだとか。刃物を持って細かな作業をすると、ノルアドレナリンの作用で交換神経が優位になり集中力が高まるのだとか。また、人間がもともと持っている破壊力を満たしてくるのだとか。確かに、まだ手付かずの一面に一刀を入れる時はワクワク心躍ります。真っ白のキャンパスに一筆入れるのには、勇気が要りますが、壊していくという何とも言えない快感があるのでしょうね。そうして、仕上がった時の達成感でしょうか。ダブル満足の写経完成です。でも、すべてがすべて満足とはいかず、何度も懲りずに新たな事をしてしまうのも到達感なく、ロスにならずにいいのかもしれません。

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“Tout accomplissement est une servitude. Il oblige à un accomplissement plus haut.”