切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

点描色付け試み①ーセザンヌ

皐月。街路樹の膝元に、一山ずつが薄桃色からローズ色までの一色ずつに染まって、甘い香りがします。昔は花弁をちぎって蜜を吸ったことがあるなどというのも、さて今の子供はそんな事はしないのでしょうね。人は香りを引き金にして過去に振り戻されると言えば、プルーストのマドレーヌ。どうも、私にはあの香りにはいい思い出は蘇りません。よく見舞いに通った病院の門から玄関先まで植えてあった見事な皐月。何年あの香りを嗅いだ事でしょうか。

「ふすまとり さつきあかりに おされけり」

「新印象派 光と色のドラマ」展を見に行ってから、構想はあったのですが、中々時間が取れず、漸く少し試みてみようと思っています。スーラ、シニャックの、あの細かい点描の補色の効果を、やってみたかったのです。切り絵の色付けは下手をすると、塗り絵のようになってしまいます。それを小さな丸を切って、補色の色遣いを効果的に使って、黒の縁取りに色付けで奥行きをつけてみる。その為にも、縁取りとなる黒の画題は細かいものでないものを選びました。偶々あったポーラ美術館次回セザンヌ展予告ちらしを選んでみました。

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"Et tout d'un coup, le souvenir m'est apparu. Ce goût, c'était celui du petit morceau de madeleine que le dimanche matin à Combray (...) ma tante Léonie m'offrait après l'avoir trempé dans son infusion de thé ou de tilleul." 

 "(Q)uand d'un passé ancien rien ne subsiste, après la mort des êtres, après la destruction des choses, seules, plus frêles mais plus vivaces, plus immatérielles, plus persistantes, plus fidèles, l'odeur et la saveur restent encore longtemps, comme des âmes, à se rappeler, à attendre, à espérer, sur la ruine de tout le reste, à porter sans fléchir, sous leur gouttelette presque impalpable, l'édifice immense du souvenir."