切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

昔日ー水車小屋

「順番に叩かれてゐる葱坊主」

道行に、忘れられたプランターの中で、薬味にと植えられた葱でしょうか。白い粒粒が玉になって並んで咲いています。葱坊主とは、何とも可愛い名前ですね。

「これなあによちよちが聞く葱坊主」

横槌というのをご存知ですか。丸木に柄をつけ、頭部の側面で叩きます。藁打ちなどに用います。これで、一本ずつ、葱坊主を叩いていきます。黒い、胡麻粒ぐらいの小さな丸い粒が落ちます。そう言えば、胡麻の種を取る時にも同じように、この横槌を使います。

「トントン、トントン、〇〇ニトン」ではないですが、背中を丸めて祖母がゴザを引いて、一本ずつ、一粒たりとも残さぬように、叩いていていました。そのゴザには一面黒光りした小さな粒がびっしり干されます。

葱坊主を見かけると、あの横槌を思い出します。藁、葱、胡麻をひたすら叩き、持ち手がくびれ、頭部はざらざら傷つき、木製ですから、金槌とは違い、重いのですが、どこか優しさが伝わって来て、何かにつけ重宝していました。

漸く、薬が効いて来たのか、痛みがややましになりました。そろそろ再開ですが、もう少し、この稚拙な作品紹介にお付き合い下さいませ。切り絵で無償にやりたくなるのが、やはり建造物です。構想はあったのですが、実に雑な切り方ですね。日がな、ただひたすら叩いていた祖母を思えば、ねばるだけで緻密になる事を最初の作品は教えてくれます。

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Les fleurs de poireau, blanc verdâtre, apparaissent groupées en ombelle au sommet d'une tige florale dressée la deuxième année.