切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

Robert Doisneau-パレロワイアル庭園の子供たち

蕗の薹(とう)の 忘れかたみや 茗荷の子」(正岡子規

昨日、「そろそろミョウガが出てきてますよ」と姉から連絡があり、取るものもとりあえず庭に飛びだし、茂みの中をかきわけると、出てます、出てます。雨がよく降り、数日前から気になってはいたものの。

「夏茗荷 さがせば 汗がこぼれだし」(田中登志)

汗より、蚊の襲撃を受けるので、ついつい上目線に覗くだけでしたが、着実に雨水にしっとり湿った土の中からぐいぐい顔を出しています。

「籾殻を かき分けて 切る みょうが竹」(角耕草)

茗荷は土の乾くのを嫌うので、母も必ず籾殻を敷いていました。今年はうちの茎も数が増えぐいぐいとよく伸び塀を越えてしまう勢いですが、あの茎葉はまさに竹で、一体は大袈裟ながら竹林と化します。そこにあのレモン色の可憐な花が映えるのです。

「みょうが漬け 千万言の 言葉もち」(海士天樹)

蚊を叩きながら、早速収穫して、あっさり漬け。瓜と胡瓜と生姜に紫蘇に、土用干しを待たずして食べ掛け出した梅干しで味付けして、茗荷をたっぷり刻み入れます。待つ事半日。冷蔵庫の中でよく冷えて、急に蒸し暑くなった気温には至福の時です。

「みょうがの馳走 それから 物忘れ」(棚橋ちゆき)

よく、昔ついつい箸が止まらなくなる私を諌めるように母が「みょうがは記憶力が落ちるわよ」と、盛り皿を遠ざけられたものですが、あれは本当なのでしょうか。科学的根拠は一切なく、この名前の由来にあるようです。

仏陀の弟子、周利槃特は覚えが悪く、自分の名前すら忘れるので首から名前をぶら下げられていたそうです。彼の死後、その墓場に草が生えた為、名荷と名付けたのが茗荷の由来だそうです。それが転じて茗荷を食べると物忘れが酷くなると言われるようになったとか。哀れ茗荷かと思いましたら、こんな話を見つけました。

周利槃特は、余りの覚えの悪さに沈み込んでおりますと、釈迦が言ったそうです。「己の愚かさを知っている者こそが知恵者。それを知らぬものが愚か者だ」と語り、箒を渡して、「ごみを払おう。あかを除こう」と唱えながら掃除をしなさいと言われたそうです。彼はその日から弛まず日々それを実行したそうです。その後阿羅漢と呼ばれる聖者の位についたそうです。死後、彼の墓に見かけぬ草が生えて来て、彼が自分の名を背に荷(にな)って努力し続けた事から、その草を「茗荷」と名付けたそうです。心穏やかに、周利槃特様に見習って茗荷で汗沈め、掃除をと。。

Palais-Royal の庭園にはこの簡易椅子が常時積んであるようですね。それを茶目っ気たっぷりに座っている子どもたちの瞬間。今度は建物の方を限りなく緻密に切ってみたいです。いずれまた。

f:id:masasarah:20150712074357j:plain

f:id:masasarah:20150712074414j:plain

Ce qui est dans ton dos est dans ton dos.  L'oublie est une science.