切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

重なりへの試みー猫とトマト

「糊利いて 肌につれなき浴衣かな」(草城)

遠足の前の日、編み機の音がいつまでもしていたことがあります。朝起きたら、クリーム色の透かし編みのカーディガンが置いてありました。母が、天気予報を聞きかじって、冷えることが気になり、急ぎ思い立ち編みあげたのでした。姉と御揃いのこげ茶の半そでのワンピースを作ってくれていたのでしたが、高原に行くには冷えるかなあっと思ったのでしょう。始業式以来ですから、確かに少し薄着だったのかもしれません。こうやって、やりくりしてでも、「晴れの日」には、皆が、俗に言う、「いっちょうらい」(持っている服の中で最も上等の服)で身だしなみを整えるものでした。とこれも過去形でしょうか。

「晴れの日」とは、御天気の事ではないです。祭りや式典、正月、学校などの年中行事などの日には、非日常の日として、心改めて身だしなみを整えて「晴れ着」を身にまとったものです。ところが、初詣に行っても、かかとのない靴に、ジーンズ、肩が落ちたセーターなどなど。子供達も、9月1日も、1月8日も、12月23(?)日もT-シャツ姿ですね。それどころか、ジョブズ氏の黒のタートルネックにジーンズにスニーカーが、火付け役になったのか、「ノームコア」というのがジワジワと浸透してきているそうですね。「究極の普通」だそうです。一つの起因には、情報が対面する前に網羅されていて、今更初回であろうが、自分を衒う必要もないのか、見えを張るより、自然体と言えば聞こえはよく、「快適さ」を重視するようになったとか。

さて、教会の日曜ミサなんかはどうなのでしょうか。昔の映画を見ると、必ず家族揃って貧しくとも、皺が寄ろうとも、穴が空いていても、とりあえずは上着に手を通して出向いている光景がありました。

近日の暑さは尋常でなく、クールビズの認可に煽られ、「ノームコア」は定着するのでしょうか。慌てて、中身作りも大変ながら、金銭価値の流れが変わるのはいいことです。

「糊強き 浴衣新たなる 愁ひかな」(万太郎)

凹凸で二枚濃淡の用紙にしましたがもう少し違いのあるのにすればよかったです。猫は凹、トマトを凸、トマトの色だけ和紙を入れてみました。

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La vérité sort nue du puit, c’est pourquoi il y a tant de monde pour l’habiller.