切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

重なりへの試みー落羽松

親潮黒潮も鯨の遊歩道」(松山律子)

回遊出来る店と言われたらどんな物を売っている店を連想するでしょうか。先日の日経MJの記事です。回遊と言うと、私は悠々と潮を吹いて泳ぐ鯨を連想してしまいますが、回遊と言うのは、海や川に生息する動物が、成長段階や環境の変化に応じて生息場所を移動する行動を指すそうです。広義には、スズキやヒラメのように、沿岸の浅場から深場を往復する行動、またはアユ、ウナギ、鮭のように川や海を往復する行動を言うそうです。転じて、回遊式庭園と回遊性など、張り巡らされた通路を歩き回る姿にも用いるようですが、周遊とは少しイメージが異なるような気がしますね。

では、この回遊性のある店とは、明治37年創業の銀座老舗、伊東屋です。創業当初よりSTATIONERYという看板を掲げ文房具一筋に営業されているそうです。9階建だった本店を12階建に新築され、掲載された写真によれば、入り口には巨大回転扉があり、itoyaの文字の上に赤い大きなクリップが目を引きます。記事の中の来客者のお話によれば、「バインダーを捜しにきたのに、フローズンドリンクメーカーを買ってしまった」などと、回遊してしまうそうです。

カンブリア宮殿」で紹介されていた五代目伊藤明新社長はネットなどによる斜陽化する文房具界に、旋風としたのは、「想定顧客を自分自身にする」という着想。百貨店のようにアールラウンドにするのではなく、品数を絞り、陳列を工夫し、試し書きなど実際に目に触れ、手に触れるように工夫をしたそうです。地球儀がずらりと並んだフロワー、レタスなどが栽培された野菜工場でもてなすカフェ、リビングキッチンにまで枠を広げたフロワーに、グリーティングカード売り場で買えば、投函までを想定してポストまで置かれてあるとか。正に、海千山千、回遊出来そうですね。是非、機会を見つけて行ってみたいと思っていますが、御目当ては、画用紙。さてどんな色に厚みがあるのか、楽しみです。

落羽松は以前にも紹介しましたが、その折撮影していた画像から切ってみましたが、あの幻想的なイメージとはほど遠い漫画チックです。切る技術の強力なサポート道具である、紙が決め手になります。伊東屋様に委ねられるか、乞うご期待下さい。

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A chaque naissance de baleine, la mer fait une vague.