切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ハンカチ染めーサーカスと猫

「これよりは菊の酒また菊枕」(山口青邨

いよいよと、冷え込んで来て昨晩は慌てて合布団を引っ張り出す始末。袖なしの薄地服から綿シャツになり、素足では納まらず靴下を履き、湯沸かしポットにスイッチを入れ、製氷皿の氷が動かなくなりました。気づけば、今日は菊の節句重陽

重陽の穴ある三角定規かな」(栗栖恵通子)

三角定規のあの穴は何のためにあるのか?そういえば、ちょうど指の入る大きさですね。線を引く時に紙を押さえる為に開けられた穴なのだそうです。奇数の三を重ねて重陽。陰陽思想では奇数は陽。9は一桁の数のうち最大の奇数。もっとも陽が重なる日として、吉祥とされ祝い事とされたのが重陽節句

仏壇を見ると、何とお盆の前に備えたお干菓子がまだ備えたままでした。「六日の菖蒲十日の菊」どころではないですね。早くも、新聞にはお節料理の注文広告が掲載されていますね。夏を振り返る間もなく、新年に備える季節となるのでしょうか。

朝井リョウさんが先日新聞のエッセイで、秋に出版される本「リア充裁判」に因んで面白い事を書かれていました。「夏が終わると、夏裁判が始まる。一年の中で裁判まがいになるのは夏のみ。どういう訳か、人は夏にだけ記憶に刻み置ける物を定めないと治まらず、まるで裁判のような心理が働く。そこで一番有効な物的証拠となるのが写真。そのためであるのか、人は判で押したように日常でない事を無理無理作っては写メを撮る」と。

それも、若い間の事なのか、そんな苦肉をする事もなく、早や幾年も経っているような気がしますが、単に夏休みなどという長期休暇と無縁になっている為なのかもしれません。しかし、そこで朝井氏が指摘するのが、夏だけでない人生それ自体が休暇となって来た時に至るのが人生裁判なのだと。

知人に写真屋さんをしている人が居ますが、最近とても忙しいそうです。十日の菊にならないようにでしょうか、まめに自分写真を撮影に来られる方が多いそうです。どこぞの無投票で選ばれ満面に笑みをたたえた方も菊枕にするには無臭ならまだしも、何やらきな臭くなっていないでしょうかしら。

 

つくづく、大変な事が始めたものかなあっと思い出しています。以前は図案を考え、下絵を作り切るだけでしたのが、そのパーツをまたいろいろにアレンジして、それを糊置きして、乾かし、染め色を考え作り染め、乾かしアイロンをあて、そうしてそれをいろいろと加工しようとしています。手ぬぐいは図案運びが難しく、手軽なハンカチを染めてみました。

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Un portrait n'est pas une ressemblance. Dès lors qu'une émotion ou qu'un fait est traduit en photo, il cesse d'être un fait pour devenir une opinion. L'inexactitude n'existe pas en photographie. Toutes les photos sont exactes. Aucune d'elles n'est la vérité.