切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ウオールスティッカー:ピーターラビット②

「萩のほかの六草の名の重たけれ」

光悦が京都洛北の鷹峯に芸術村をひらいて400年を今年は迎えるのだそうです。それに因んだ展覧会「琳派と秋の彩り」に出向いて来ました。中でも酒井抱一の作品は人気があるのか、結構な人でした。秋の風物、七草に柿、紅葉が、画題に選ばれているのですが、そこに、「むむ」っと思ったのが、「朝顔ツユクサ」。あの青い花々は夏の花じゃないのかしらと、思いきや、季語は秋なのだそうです。

「萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 叉 藤袴 朝貌の花」

万葉集にありますが、この朝貌は今の桔梗のことだそうです。そうなると、酒井抱一の「秋草図」には桔梗の代わりに朝顔が選ばれているのも、そのあたりにあるのかしらと思ったりしましたが、まさかはそんな浅薄な意味合いはなく、構図を考え抜いた選択だと思うべきなのでしょうね。もう一点の『秋草鶉図』では、桔梗の代わりに選ばれているのが、ツユクサ。凡人の勝手な想像は、秋の七草の色合いにどうしても澄んだ青を入れたかったのだろうかと、思ってしまいますが、さて真実はいかに。

ツユクサの青は花の中でも、秀逸の青。

「つき草に衣はすらむ朝露にぬれての後はうつろひぬとも」

徳富蘆花が「花ではない、あれは色に出た露の精である」と言うのは、いい得て妙。

つき草とは衣に染め着く草、つまり「着き草」ということだそうで、水に溶けやすく藍染にとってかわられ、友禅染や紋染めの下絵に使われるのだそうです。

青が三度の飯(?)より大好きな私は、この花をよく押し花にしますが、この花だけ

は色褪せることがありません

「つきくさに 衣いろどり摺らめども うつろう色というが苦しき」

歌は移ろいやすい心にぼやいていますね。さて、この青の色に抱一は拘り続けたのだと思いたいです。

ベアトリスポターの猫やネズミも、「のほほーん」として可愛いのですが、黒で縁取ると、ややオドロオドロしてしまいました。m(_ _)m

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"Le bleu est une plongée inconsciente interminable."