切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ポストカード:ルドウテのさくらんぼ

「ちまちまとした海もちぬ石蕗の花」(一茶)

昨日は、久ぶりに京都に出向き、信行寺と西方寺に非公開文化財特別公開を見て来ました。皆さんよくご存知で昨日からだったのですが、大勢の方がお見えでした。花の少ないこの時季ならではの花、石蕗(つはぶき)が見事に咲いていました。日陰にひっそりと咲く花の定番。

「つはぶきのだんまりの花嫌ひな花」(三橋鷹女)

もともとは、海辺に咲く野草なのだそうですが、日本の余り日差しの当たらない庭の隅で咲く地味な花のイメージが強く、私も正直あの黄色は苦手です。

「老いし今好きな花なり石蕗の咲く」(沢木てい)

まだまだ、この境地にはならないということは...

「頭の中の崖にさく石蕗の花」(車谷長吉

車吉氏が「遊俳」(趣味的な俳句)と呼ばれていたそうですが、浮世離れしたややもすれば世を斜交いに見る姿勢が好きな作家。頭の中の崖に、添えてみたくなる花であることは間違いなく、そうでもしないことには、急降下してしまい兼ねない折に歯止めになる花なのかもしれません。

石蕗の黄に十一月はしづかな月」(後藤比奈夫)

明日から11月。石蕗の季語は冬だそうです。葉が蕗の葉に似ていることから命名されたとか。この茎も食せます。しっかり灰汁抜きをして、油炒めします。郷愁がどこなのか手頃な表現ですが、そんな味がしそうな気がします。

 

若冲の天井絵は目に焼き付けたかったのですが、首がついつい見上げるばかりでは持たず、ここの住職さんが羨ましくなるばかりでした。一日大の字になって眺めれていられたらどんなにいいだろうなあっと思いつつ、それでも執拗に見つめ、今後の課題に出来そうです。

f:id:masasarah:20151031090114j:plain

“Chaque modeste peut dissimuler un incapable.”