切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ポストカード:ルドウテの椿

「穭田のそよぎを得たる青さかな」(西口万佐子)

久しぶりに田園風景の見える電車に乗ってみて初めて気づいたのですが、暢気な話で申し訳ありませんが、もう稲刈りは済んでしまっているのですね。新米が売りだされているのですから、今更驚くことでもないのですが、枯田の中がすでにうっすら緑色になっています。刈り取られた株から、また新芽が出て来ます。その芽をひつじ(穭)、その田を穭田と呼びます。私はこの語の響きが好きです。

「穭田に遊び呆けし天邪鬼」(井潟ミヨ)

霜が下りて、冷え込んで霜柱が出来ると、ほんのり田んぼは氷色になります。刈られて残った株の上を辿って踏みつけいくと、霜柱が壊れる音がして、登校時間も忘れて田を踏みつくしていました。雨水が溜まると、田の中は泥るみ、靴を汚さぬように、株だけを踏んでいきますが、バランスを崩すと泥るみに落ちます。何もそんな事までして田の中を歩かなくてもいいのに、何故かその株伝いをするのがスリリングだったのでしょうか。

二期作と見紛うてをり穭伸ぶ」(吉田政江)

それは今では、暖冬なのでしょうか、穭がふさふさとよく伸びてしまった田を見かけます。稲刈りが早くなったからなのでしょうか。

「ひつぢ田や白紙に戻す農ごころ」(鈴鹿仁)

水田から穭田へと一年を通じて稲田は入れ変わります。刈り取られ田は来年に向けてリセットされます。無防備にも、自然災害だけでなく人害すらまで被られようとも、最悪の不作になろうとも、結果オンリーでしかないのに、また春の苗代作りまで眠り、懲りることなくゼロからの出発に目覚めます。その潔さがこの刈り取られたうっすら緑色した穭田には日本ならではの魂があるような気がします。

TPPで関税撤回は主食は免れても、新たなる輸入枠による外国産米が安価に売られ溢れようとも、誇れる米を作れるのは日本だけと特性を磨いて頂きたいと祈るばかりです。

 

このブログも300を超えました。1月4日スタートですから、そういう計算になりますね。さて、そのうち私の手元から離れていった作品はいくつあることやら。染め用の紙を切るか、黒紙を切るか、貼り紙用を切るか、何だかオロオロしてしまっています。

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Je suis une incurable optimiste. Mais une optimisme de combat, non de contemplation. Quelles que soient les situations auxquelles nous sommes confrontés, quels que soient les drames, il faut encaisser le choc, se poser et puis repartir. C’est une philosophie qui a habité ma mère et beaucoup de femmes dans ces territoires.