切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

wall sticker: coloriage②

「秋薔薇や彩(いろ)を尽くして艶(えん)ならず」(松根東洋城)

いつか、まるで英国の庭に舞い降りたようなおうちを見せて貰ったことがあります。薔薇の種類も多いことながら、蔓バラをお洒落なフェンスに上手に誘因されて、添えた花々がまたイングリッシュガーデンの教科書のような種類の花々でした。奥様も、まるで「秘密の花園」の女の子がそのまま年を重ねたような方でした。見ながら、世知辛い世に居る私は、薔薇の株に、寄せ植えの苗に、鉢にフェンスに、専用の土に肥料に、薬剤と頭の中で電卓が悲鳴を上げていました。まあ、この女性の特権なのでしょうが、一体この人はいつお出掛けができるのだろうかと、何やら哀れに思えたのは、私のちっぽけな心根の所為でしょうが...

「身のどこか小さき傷もつ秋の薔薇」(長迫貞女)

四季咲きの薔薇は年中咲くように思えますが、やはり威勢のいいのは5月。空っ風が吹く頃にまた咲き出しますが、花びらの厚みが違うような気がします。5月の花がひらひら咲くのに対して、秋の花は重く重く、咲くようです。薔薇は本当に世話がかかります。肥料も絶えず絶やさずやり、害虫に病気にと、四六時中葉の裏までひっくり返して睨んでいないといけず、もちろん土を乾かさないように水遣り。旅行など、もっての外です。スプリンクラーや、時間設定の出来る噴水器もありますが、留守中にどんな病害虫の襲来を受けるか、予測のつかないハプニングは付き物。そう思えば、このエレガンスな薔薇庭の主も結局のところは、庭というよりも家に縛られておられるのだろうなあっとか、この美しさを求めずにはおれない真逆の闇があるのかなあっとか、星の王子様の薔薇への思いが重なります。

「一輪の薔薇蕗ちりぬ初嵐」(子規)

朝日新聞連載の「子どもの貧困」シリーズを読んでいると、何を持って「貧困」とするのかと、価値基準のギャップについていけないような気がします。両親はスマホに夢中になりながら、子供は夕食は菓子だけで、穴の開いた靴を履き、歯は虫歯だらけ。EUでは、子供の指標を策定しているそうです。「最低一日一回魚や肉」「最低二足の靴」「特別な時のお祝い」「一年に最低一週間、家を離れて休暇を過ごす」など18項目があるのだそうです。さて、どれだけの子供がこれに〇とマーク出来るのでしょうか。

さて、あとの項目にはどんなものがあるのでしょうね。これからの冬を思うと、光熱費も払えずに、寄り添うことだけで暖をとり、子供だけで夜を過ごす子もいるとか。これも、一億の一人のはず。しっかり届く矢を望むばかりです。

「凛と冬薔薇千慮の一矢もならぬ」(三浦美津子)

染めを二色刷りにしようと思っています。その柄の重ね具合をどうすれば、効果が出るのか思案中です。二度目で一度目の絵柄を消さないようにするのに、イチイチ糊置きしていたのでは、糊がいくらあっても足りません。ここが思案のしどころです。図案の重ね具合の解消にもと細い一尺幅の絵柄にしてみました。

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Une rose d'automne est plus qu'une autre exquise.