切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ガラス額:南桂子①

「からからと渦巻きて飛ぶ柿落葉」(前川嘉風

近所に、大きな富有柿が鈴なりになっていますが、一向に取る気配が見られず落ちていきます。空き家のようでもなく、通る度に、余計なことながら鳥さんへのご配慮だと思うと立ち去ります。柿の葉は実の重みとは裏腹に、育てたはずの実がもぎ取られぬことも感知せぬかのように、はらはらと抜けていきます。

「翻り亦輝ける柿落葉」(橋本幹夫)

夕焼けに赤く紅葉した葉は、実には負けないものだと叫んでいるようです。

「掃き捨つるには色惜しき柿落葉」(山中明石)

急ぐ道すがらでも、ふと足元に、赤い葉を見つけると拾わずにおられなくなったものです。大事に拾ってポケットに入れたまま忘れて、気が付いたら木っ端微塵、洗濯機に回されてポケットの底で固まっています。「ポケットの中は、空っぽにしてから脱衣籠に入れなさい」とよく叱られました。聞くところによれば、最近の洗濯の人気はコインランドリーなのだそうですね。洗濯機革命は進み、今ではドラム型が定着して乾燥までがしてくれる時代かと思っていましたら、コストと時間と手間などなどを鑑みますと、コインランドリ-が得策だという風潮なのだそうです。確かに、これからの鈍より冬空に、嵩張る厚地では、一考の必要はあるのかもしれませんが、いよいよの時代。今にスイッチ一つで、均一に畳まれた物に蘇るようになるのでしょうか。確かに、その時代に先の割れた竹竿を使って柿を捥ぐという作業は頭の中には描かれないでしょうね。あれは食べるものではなく、店頭の籠に盛られたのが食するものだと。さて、洗濯機を見て、頭をもたげる時代も、遠くないのでしょうか。

 

南桂子の作品を少し切り絵ようにアレンジしました。落ち葉が宙に浮かないように補助線を入れましたが、一二枚消えたようです。色づけのセロハンはべた貼りだけにせず、形に変化をつけました。

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Mais je ne peux m'accrocher à rien. Comme un arbre qui perd ses feuilles. J'oublie même à quoi j'étais en train de penser.