切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

若冲天井画花卉図ミニ③

「冬霧に町すっぽりと白い闇」(松山寿美)

今朝明け方前の満月は見事でしたが、その後、一気に霧に包まれてしまいました。高層ビルが足元をすくわれたように浮いていました。

「磨崖仏宙に浮かべて冬の霧」(野田ゆたか)

自然現象とは、予測もつかない不思議な世界を生み出すものです。

「霧よりも上で朝餉の菜を洗ふ」(岡田史乃)

たかが霧が生み出した世界なのに、自然と真逆の人工物体が見事に土台を消すかのような魔術を施してくれると、その上に浮き立つ自分がまるで、霧だけでなくあらゆる有象無象の上に立った気分となり、それを足蹴に日常をこなす気分は中々いいものです。

「枯れ切って白き芦なり捨て身なり」(櫛原希伊子)

原節子さんが95歳でこの秋に亡くなっておられたニュースが昨日報じられました。「空前絶後の大女優」と名を馳せたお姿も遠き人となりつつも、その頃のままに刻み続けられ、誰も枯芦の如き姿を描けぬのも、41歳を機に身を引かれた余生のなせる技と、今になれば美談となりましたが、人の世は推し量れぬものです。

 

日本の「線の文化」の話を昨日書きましたが、少し確認しましたら、今月の日経の「私の履歴書」の絹谷幸二さんが書かれておられた話でした。毎日楽しみに読ませて貰っています。以前からフレスコ画というのには興味を持っていましたが、先日紹介されていた「華麗なる激情」というチャールトン・ヘストン主演の映画をいつか見てみたいものだなあっと思ってしまいました。大塚美術館に行った折の解説でしたでしょうかミケランジェロがシスティナ礼拝堂を描く苦労話が重なり、油絵とはまた違う世界を是非見てみたいものです。油絵と違って、描いた先から乾いていき、筆を下ろすまでに熟考が必然。どこか切り絵に似ている潔さがあります。菖蒲、山桜、芙蓉、藤

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Le passé est à chacun ce que le brouillard est à l'accident responsable de rien mais cause de tout cependant.