切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

若冲天井画花卉図ーのかんぞう

「黄落の風任せなる歩みかな」(藤本春苑)

今年の銀杏の黄葉が遅いのか、しっくりと黄色に染まらないような気がします。緑と黄色の部分染めした木を見ると、ついつい売れに売れていた又吉氏の芥川賞受賞作品の一節が浮かんでしまいますが,あれだけのブームを呼んだのですから、さぞや大勢の方が、あの主人公と師との会話を思い浮かべるのではないでしょうか。「塗り忘れたのは、新米の神様か、靴下に穴の開いた作業着の、娘の為に汗水たらしつつも毛嫌いされてる、前歯の欠けたオッチャンの仕業か」

"maples are such sociable trees," said Anne, "they're always rusting and whispering to you.  (L.M. Montgomery)   

楓って、とても社交的な木よ」とアンは言う。「いつもさらさら言っては人になにかささやいているのね」(モンゴメリー)

今日は「赤毛のアン」の作者モンゴメリーの生誕141年だそうです。ふと、気になり、「火花」を読み返してみましたら、色づきが斑になっていたのは銀杏だとばかり思っていましたら「楓」でした。絶句です。どこで読みながら違う映像を活写してしまっていたのでしょうね。先日寄りました新宿御苑では、染まっていた楓は一本。そこだけに一眼レフのカメラが並んでいました。今年は紅葉限界温度8度を中々くだらないのでしょうか。赤毛のアンが木の擬人化を図る事で現実をバラ色にするのと、火花の主人公の夢想癖を現実にひきずりおろす師との会話。まるでかけ離れているようですが、アンとマリアやマシューのやりとりを連想してしまうのは私だけでしょうかしらね。

「愚痴も聞きし諭しもしたる置炬燵」(大場比奈子)

同じ擬人化でも、無機質な炬燵というのがいいですね。これがまさに現実でしょうか。

「一人居や炬燵のそばに物ふやし」(秋山英身)

私は、ひたすら無機質に周辺を要塞のように積み重ね、一端炬燵に入れた足には根が映えるばかりです。

若冲の天井画を型染めにした手提げカバンが売られていました。それようにと切ってみました。

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Mais si on a de grandes idées, il faut bien se servir de grands mots pour les exprimer, pas vrai ?