切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

若冲天井画花卉図ー朝顔

「短日やおおかた残る庭仕事」(原口澄子)

一番、日は短くなり、あたふたしていると、すぐにあたりが暗くなってしまし、外の用事は中断せざるを得なくなります。

「短日や果たせぬ用の探し物」(本郷智子)

この句を見て、「さがし」という字に「探し」があてられています。という事は、あらぬ物を探しているからなのでしょうか。心当たるものをさがしているなら「捜し」となるはずですから、この字一つで趣のことなる句となるでしょうか。確かに、朝から見つからぬ鋏を捜し、日が暮れたていたのでは、詰まらないですね。そうです、これはそんな瑣末な句ではなく、もっと夢想した句なのでしょう。

「ロボットと話している児日短か」(八木三日女)

子供はいいですね。動かぬ喋らぬ人形相手にでも日がな遊んでいた頃には、日の長さなどを疎むこともなかったですね。

「短日も塀乗り越ゆる生徒また」(森田峠)

下校時間を過ぎても居残ってなにやらしていた生徒達が塀をこともなげに乗り越えていく様、そんなことを知りつつも門戸を閉める管理人。その点、お行儀よく並ぶ行列の出来る店屋さんの光景は、ひょっとするとロボットと話す幼児以上に時間には疎いのでしょうか。よくもまあ、あれだけの長い列に耐えておられるものかと思いますが、二人三人と尽きないお喋りをしていたら、日の沈む事など度外視なのでしょうね。昨日は神宮外苑の銀杏並木に立ち寄りましたが、11月にオープンしたSHAKESHACKの混みようは凄まじいものでした。多分100メートル以上の行列が出来ていたでしょうか。

「短日や棟梁の声あらけなく」(池下よし子)

建築業はお天道様次第の仕事だけに、夏の暑さに台風思案も大変ながら、冬の寒さもさることながら、納期が迫ると短日は何より焦燥の種となるでしょう。その現場の横では、小粋に飾られた小さなお店に並ぶ列。これも日常が穏やかなお陰か。つんつん、とんがる神宮外苑の銀杏並木は、何やらその対比を見下ろしているようでした。

若冲天井画もこれにてお仕舞です。季節外れですが、若冲朝顔酒井抱一朝顔とどこか似ていますが、時代的に真似たのは酒井抱一の方がでしょうか。

f:id:masasarah:20151206090026j:plain

Ceux qui ne bougent pas ne sentent par leurs chaînes.