切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

今年の括りー暦3月

「人間はぞろぞろ歩く浮寝鳥」(田丸千種)

師走に入り、巷の気分はやはり、歩き方までせわしなげに見えますが、それとは存ぜぬことと、渡り鳥は、外堀の水面に浮かびうたた寝をしているのでしょうか。

「浮寝鳥目覚めて水輪を広げけり」(小川和子)

私も、負けず劣らず、水面ではなく炬燵の中でマグカップを枕に眠ってしまい、目覚めるとパソコンの画面には小文字のzが一面並んでいます。

「正午すでに暮色の都浮寝鳥」(田中裕明)

日没時間を調べてみますと、今日12月9日、東京は16:27,大阪16:47、鹿児島は17:14なのだそうです。東京に来ていますと、日が暮れるのが早いなあっと実感するのも、「さにあらん」ですね。4時を過ぎると、夕飯の気分になって来て、一日の纏めをせぬかと思いつつ、長き夜に賭けてみようかと思うのみですね。

「水鳥のしづかに己が身を流す」(柴田白葉女)

川面に水鳥が首を羽の間に差し入れて、流れに任せて眠る姿が、ふと目に留まると、我が身を投影しそうになりそうになる停止ポーズをはぎ取るように足早に行く人を見つけます。でも、現実は、あの浮寝鳥の身を羨望の眼差しでみているうちが華。我が身に、そのポジションが舞い降りた時には、三日ともたないのでしょうね。先日、『ハッピーエンドの選び方』という映画紹介の掲載記事が目に留まりましたが、NHKでも取り上げられた久坂部羊の「破裂」のドラマの最終回のエンディングの記憶が消えない折、今や、日本にも「安楽死」容認への決断は迫って来ていると思うのですが、「老いれば、老いる程に、生への執着が増す」と昨晩のテレビドラマの台詞もまた、然り。浮寝鳥を見る者と、見られる身、両者の身にはなれないだけに決断は引き延ばしていくしかない

のでしょうか。

Robert Doisneau の写真が好きで、特に子供の様子が好きでかなり切りましたが、そのうちの3枚を選んでくださいました。左上のブルーのはCicely Barkerの花の妖精シリーズからです。

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Fin de Partie(The Farewell Party )「ハッピーエンドの選び方」

Cinq pensionnaires d'une maison de retraite de Jérusalem, ne supportent plus de voir leur ami malade souffrir. A la demande insistante de son épouse, ils se décident à construire une "machine pour mourir en paix" qui conduira le pauvre homme vers l'au-delà. Mais forcer le destin ne se révèle pas si simple.