切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

「今年の括りー暦5月

「電飾をまといて眠る冬木立」(美遊)

雨が降り出す前にと、一昨日、「冬の桜」を見に行って来ました。目黒川添いの桜並木の桜をLEDライトで装飾しているのですが、100%が自家発電によるもので、地域の方々の協力で廃食油を回収して、ディーゼル燃料にリサイクルされたものだそうです。春の満開の桜を連想しながら、電飾ならではの川面に映る効果で脳裏に桜が舞うというのもいいものでした。

「電飾に闇の冬木は煌めきぬ」(吉井竹志)

どこも艶やかなイルミネーションの街は人、人、ですが、桜色だけのシンプルさ故か、人も疎らでゆったりとした散策となり、一駅続く道のりも軽やかでした。

「蒼天に冬木愚直にそびへけり」(飯岡良一)

いつから、街角の落葉し尽くした樹木は、裸のままではいけないような風潮はいつから出て来たのでしょうね。

「向ひ家の電飾灯る十二月」(和泉清一)

幸い、近所にはそういう流行り病はなく助かっています。昨日、野坂昭如さんが亡くなられたニュースが飛び込んで来ましたが、脳梗塞に倒れられたのが、平成十五年。十二年の闘病生活だったのですね。「八月の風船」「凧になったお母さん」「アメリカひじき」。「火垂るの墓」など、映画化、アニメ化された作品もありますが、あの黒いサングラスのいつも酔っぱらったようなニヒルな風体は、どこか電飾をまとわれた冬木と重なり、漸く電飾の役目も終わり天を突く枯れ木として永眠されたような気がします。それでも、なおきっと、あちらからも「不穏な今の世が見えぬ人々」を怒っておられることでしょう。ご冥福をお祈りするばかりです。

ミューシャの作品の中でも、五月に相応しい花尽くしの絵柄です。上部のは、花のカレンダーの一枚の花のリースが壁に掛けられた写真をベースにして、妖精や蝶のシルエットをアレンジして線画が落ちないように工夫して切り、色使いとして押し花をちらした作品です。

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Il en aimait les blessures aiguës qui seules distraient d'une idée fixe et que la médecine nomme exquises, les admirant à l'égal d'une enluminure de missel.