切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

「今年の括りー暦6月」

「味噌汁の葱の甘さを独り言」(小高布く子)

昨日は雨に風もきつく、一日足止めかなあっと思いきや、一気に晴れ上がり、気温はぐんぐんと上昇。まるで熱帯植物の育つ温室。これでは、霜も降りず、白菜も葱もほうれん草も今一つ柔らかくならず、お百姓さんも苦渋の日々でしょうか。

「葱刻む哀しきときは音たてず」(高橋たか子

朝餉の支度の音で、母の機嫌をよく推し量ったもので、特に洗い物の音が増すと虫の居所が悪いのだなあっと、警戒警報が発令。でも、誰も音なき葱を刻む音の境地を推し量った事はなかったような気がします。

「葱の香が怒りの最中ながれくる」(能村登四朗)

さて、母の気持ちが葱の香で治まることはあったでしょうか。三匹の子ブタよろしく、姉妹弟で、頭の上に指を立てて角に見立てて「ただいま、二メートル」なんて注進し合うのでした。

「母の忌の近し厨に葱白く」(塩田博久)

イエス様の生誕日が母の命日。今年は7回忌。「霜が降りんと、あかんね」とどこからか声が聞こえて来ます。下仁田葱が泥をつけて高値で売っていますが、冬の凍てつく土に覆われた母の葱は厚揚げと炊くと甘くてとろけるように美味でした。

「葱もらふぼろぽろ土をこぼしつつ」(坂本俊子)

そんな葱を貰ってくれていた人が、ふと土のついた下仁田を見たら、母を思い出し、「美味しかったなあ」と言ってくれているでしょうか。それとも、角の生えた顔が思い浮かぶでしょうか。それもやはり母であり、またそれに似た気分屋の私。「よう、似てきはった」と。合掌。

南桂子の作品を少しアレンジ(右上)歌川国芳の猫をつなげた線画(左上)クリスマスローズの花びらを敷き詰めた写真参考にアレンジ(下段)ルドウテの薔薇(左端)

 

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Le principal ingrédient pour toute une bonne cuisine familial est l’amour ; l’amour envers ceux pour qui vous cininer.