切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

小さな職人たち'cuisine'

「ふくら雀丸々ふくれ飛ぶ気無し」(井田実代子)

先日、山間の駅から出た折り枯れ木に鳥が三羽とまっていました。余りにふっくらしていて何の鳥かしらと近寄ってみましたら雀です。「何ともよく肥えたこと。どこぞのお重のおこぼれでもあずかったのかしら」と思ったのでしたが、無知蒙昧。

ふくら雀は冬の季語。冬の寒気を防ぐため、羽の中に空気を入れ膨らませて寒さを凌ぐのだそうです。

「羽毛に日を梳きこみふくら雀かな」(布川直幸)

雀の身にならないと実際の所は分かりませんが、我が身をフルに利用した100%のダウンジャケットですから、温まるのでしょうかしらね。眺めている方は、何ともふっくらした姿は可愛げで心がほっこり温かくなります。

「ふくら雀誰にほどかれし銀の帯」(流星)

明日は娘の晴れ着支度に大慌てになられる親御さんも居られるでしょうが、ふくら雀は帯の結び方の一つ。振袖を着る機会が度々あったとも思えないのですが、必ず母が分厚いというより、めくり過ぎて倍に膨らんだかのような和装の仕様書と首っ引きになり、祖母がたすき掛けでもしたような姿で私の背に向かい合ったものです。「右が上で、左下に手をあてて...」などと、本の写真と照らし合わせながら、母が指示を出し、それを聞いている風もなく祖母が形にします。祖母は、小ぶりのぼて(たいこ)をプラスして膨らませたり、腰紐の数も多かったりしてオリジナルの工夫が余分に加算されて、私はもう身動きがとれなくなるばかり。そうして完成すると祖母の訓示があります。「水は一切飲まぬこと。歩く折は両膝を離さぬこと。乗車、階段では袂を持つ事」などなど。明日は、雪もなく晴れるのでしょうか。見て見ぬふりの出来ない立場となり中々心穏やかでおられない日です。

「葉は散りてふくら雀が木の枝に」(鬼貫)

遠目には、まるでカップリング咲きの花のようです。東京オリンピックパラリンピックのエンブレムが紆余曲折ありましたが、アイデアが4件に絞られたのだそうですが、どんな絵柄になるのでしょう。

 

小さな職人たち、今回は図案の市松模様が凹凸にしてみました。嗣治氏は半円模様を縁に入れています。額の代わりにと、くどいかなあっと思いつつ、オリジナルの淵飾りを入れています。

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Chaque être aimé, en disparaissant, ravit un peu de chair, un peu de sang, à ceux qui restent sur la terre, tremblant de froid et de fadeur dans le crachin continu de l’absence.