切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ステンドグラス風:南天

「春さればまづ咲く宿の梅の花 独り見つつや春日暮さむ」(山上憶良

去年とことん剪定した梅でしたが、ふと今朝見てみますと、ぽつりぽつりと蕾が綻びだていました。「やったね」と心でつぶやきます。

「寒梅や心寧らぐ二三輪」(奥田不二子)

中国では、梅はもろもろの花に先駆けて咲くことから、以後の次々咲く花が咲きだすように風雨を秩序正しく運行させる力となるものだとされて、「梅花力」と呼ぶのだそうです。機を逸することなく、初咲を拝むことが出来て、その力の恩恵を受けたと心がほころびます。

「梅が香りや針穴すかす明かり先」(小林一茶

一昔前は、この時季、卒業式に、入学式と式典が続きますと、母親は決まって黒紋付きを羽織っていくのが定番でしたが、今は色とりどり華やかで、黒絵羽を見かけることはないのでしょうか。母は何をさておいても梅好きで、わざわざ京都の染め屋さんに頼んで染めてもらった柄が梅。仕上がった反物に一針一針刺しながら教えてくれた語が、『好文木』。その頃は「ふうん」と聞き流しながらも、梅の木にぶら下がった名札にこの字が書かれていたのが、ふと私の脳裏を過ります。

「梅は香に追ひもどさるる寒さかな」(芭蕉)  

好文木は梅の異称で、昔、中国の皇帝が「文を好めば梅開き、学を廃すれば梅閉づる」と云ったことからつけられたとか。

「勇気こそ地の塩なれや梅真白」(仲村草田男)

『地の塩』はマタイ福音書5~7章に出てくる言葉。

「塩は食物の腐敗を防ぎ、光は暗闇を照らし出します。塩のように世の中の腐敗を防ぎ、光のように悪の浄化する存在になるように」と、イエスキリストが山上で信徒に語りかけたとされています。

今日は、あのとんでもないプレートのズレが淡路・阪神に起こった日から21年目。時は否が応でも流れていきますが、流されてならない忘れてならないものに目をむける勇気を、梅の綻びに力を得て、好文木が枯れないようにしたいものです。まだなお、震災復興に弛まず尽力されている方々に感謝申し上げるばかりです。

 

南天らしくない実になってしまいました。赤い色づけを工夫して黄色と朱色のセロファンを小さな丸にカットしたのをところどころに足しましたが、効果は余り出てないですね。

 

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Évangile de Jésus-Christ selon saint Matthieu, chapitre 5, verset 13 :

« Vous êtes le sel de la terre. Mais si le sel perd sa saveur, avec quoi la lui rendra-t-on ? Il ne sert plus qu'à être jeté dehors, et foulé aux pieds par les hommes. »