切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ステンドグラス風:ミューシャ②

「寒餅のとどきて雪となりにけり」(久保田万太郎

昨夜も風がきつく、よく冷えましたら、朝うっすらと屋根は雪化粧です。 寒の時分には、素麺干し、和紙漉き、かき餅干しと、格好の季節となるのでしょうが、作業をされる方には何よりきつい仕事。 どんなに文明の利器が進もうとも、自然の力に大きく施される人の技が機械化には手の届かぬ品を作り上げるのでしょうね。今朝の新聞にかき餅が綺麗に並べ吊るされた映像が掲載されていました。

「寒餅を切る縁側の春の彩」(北山俊)

実家でも、年末に搗いた「のしもち」を切って、かき餅やあられにしていました。それ用の切り機がありました。骨董品のような木製の土台に大きな鋼がはめられ、片方が固定されていて薄さも設定出来るようになっていたでしょうか。おかき用にのし餅を薄く切っていき、小さくなると賽の目に切ってあられにします。それを竹製の一畳ぐらいある四角い干しざるに均一に並べて天井に竿を叉木にして並べて、ひと月程干します。そうすると、夜になると「こそこそ」と音がします。鼠ですf*_*;

「寒餅やむらさきふくむ豆のつや」(室生犀星

干しエビ、黒豆、黒砂糖、蓬などを入れた餅が綺麗に干し上がると、七輪に網を乗せて気長に膨れてくるかき餅を均一になるように箸で押さえながら焼き上げます。あられは、焙烙という厚手の素焼きの平鍋で炒り揚げ醤油や塩で味付けしますが、芯まで火を通すのには根気が要る作業で、母はよく素揚げにしていました。カリカリに干上がった5ミリ角ぐらいの干し餅が、低温の油に入れていくとジワジワと膨れだして、1cmぐらいの揚げあられとなります。それに塩をかけて味付けします。熱々の揚げたてを御飯の上に並べて熱いお茶をかけると、「ジュワ」と音がしてふんわりと柔らかくなったあられと御飯を混ぜながら頂きます。「美味しかったなあ」っと、新聞の並んで干されたかき餅を見ながら味が蘇ります。

「水餅を焼いて正月もう終わり」(熊本葉暮夫)

真空パックになっているので、水に漬けることもないのですが、お餅もお仕舞にしないといけませんね。この季節は、膨張した体への負い目に間髪を入れずに健康食品メーカーやスポーツジムが追い打ちをかける時季でもあります。コストに左右されるのが庶民の知恵でもありますが、甘い話にはこのご時世用心深さだけは持たないと命の保証すらがないようです。素麺や和紙や餅だけでなく、寒気の恩恵を受ける時なのかもしれません。

 

透明の額に納めた作品の写メを撮るのは難しいです。どうしても写す側が反射して映像に映ってしまいます。お粗末です。

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“On va en enfer pour ne pas avoir froid.”