切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

手提げ鞄:若冲④

牡丹鍋力合わせて食ひにけり」(大串章

冬の底冷えする日には、やはり夕餉には鍋が合います。日が落ちると、あちこちから、「さて、何の鍋にするかな」などと聞こえてきそうですが、最近の人気鍋ランキングトップはキムチ鍋なのだそうです。スーパーに行くと、多種多様な味付けの濃縮鍋の素が売っていますが、目を見張ったのは、『レモン鍋』 「うぬっ!」。チーズ鍋は定着したのでしょうか。カマンベールの塊を乗せる鍋もあるそうです。外食で鍋を頼むと、最初はいいのですが、途中から皆が力を合わせて取り組まないと、未練ばかりが残る事になり兼ねないのではないでしょうか。

「ずわい蟹無言となりし一座かな」(川上真太郎)

昨晩の日曜の夕餉には、どれだけの家族が鍋を囲んだのでしょうね。具材は、豚、鶏l牛肉、蟹、フグ、ハゲ、あんこう、鯛、ブリ... 関西と関東では微妙にきっと具材の領域も逸するのでしょうね。最近、東京に来て目を見張るのが、「ごっこ」という魚です。「ほていうお」とも呼ばれる魚なのですが、実に愛くるしい顔をしていますが、外見がフグを黒ずませたような風情で、背びれがなく、表面が見るからにぬるぬるしていて、腹の部分には水盤までついているという、かなり食するには勇気の要る魚です。つい見入ってしまいますが、まだ買ったことはなく、少しググってみましたら、函館では、「ごっこ汁」として親しまれている鍋料理のだそうです。どんな味なのでしょうね。泳ぐ姿など想像すると、やはり箸は中々進まないような気がしますが、黙々食べる仕草も浮かびますと、「十人と十色」実感します。

「鰭酒に神事のごとき火を灯す」(齊藤實)

鍋と言えば、熱燗が欠かせないのでしょうか。これには、人の性格が鮮明になってくるというか、付き物の儀式のこだわりから、気付かぬキャラを発見する機会にもなるのかもしれません。

「鰭酒や孤高や好いと呟きぬ」(小澤克己)

食は閉鎖された各々の家庭と深く繋がり、社会という開放された場で泳ぎだすと、覆い隠して身を守る本能に包まれますが、冬の節目の宴会に付き物の鍋にて、拭い取られるのも日本ならではの親睦というものか、破局を呼ぶ機会となるのか。交々、油断許されぬ時季、桑原桑原、用心致しましょう。

 

若冲天井画の「向日葵」柄のポケットを縞模様の着物生地に縫い込みました。脇にかかるように、ずらしてみました。

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Autant d'hommes autant d'avis.