切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ウオールステッカー:トトロ⑤

「絹糸のぴんと鳴らして寒戻る」(上原榮子)

よく、レトロの映画で、頭を傾げ、耳の脇に刷りつけるシーンが出て来ますが、今の若者には頭を掻いているようにしか見えないのでしょうね。あれは、頭につけた鬢付け油で針の滑りをよくして縫い易くするためだとは、思いも寄らないのかもしれません。鬢とは耳ぎわの髪。また、頭髪の左右側面の部分を指すのだそうですが、何とも色気のある仕草。そこに、和裁机に正座して絹針に通した糸をピンと張ってみる。何とも冷気の凛とした響きがいいですね。

「玻璃越しの陽に騙されて寒戻り」(楯野裕子)

日射しは、正直に太陽の傾斜が高くなり明るくなって来たものの、週明けからよく冷えて朝の体のエンジンが中々稼働しません。

「冴返るこころは鬼の凄むところ」(村井美恵子)

先日、根津美術館に立ち寄りましたが、通り過ぎる時はいつも道路側しか目に留まらず、入館してみて、初めて庭園の広さには驚きました。茶室に、石仏が点在し、一回りするにも小一時間かかったでしょうか。木漏れ日に苔むした中に、いい顔の石仏見つけ写メをしてしまいました。さて、無機質の石の塊ながら、この仏にも宿るものはあるのでしょうか。

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「死者は戻らず生者には寒戻り」(鷹羽狩行)

『死人に口なし』とつい思ってしまうのは私だけでしょうか。というのも、昨日からマスメディアを騒がせています川崎老人ホームの事件。確かに、老人施設に入居されている方々は加齢による弱者には違いありませんが、常に被害者でばかりでもないのではと、虐待という言葉の向ける先が一方向でいいのかと、思ってしまいます。

「ひよいと死ぬ話のつづき寒戻る」(笹村政子)

 

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Vieux. On avait pour eux infiniment plus de respect que pour les seniors, suspectés, lorsqu'ils s'accrochent trop longuement, de vouloir mettre en faillite leur caisse de retraite.