切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ウオールステッカー:浮世絵①

「せせらぎに陽ざしあまねき芹を摘む」(吉田静代)

ラジオから、水辺に新芽の出そろった芹を摘んで来た話が聞こえて来ました。春の七草の一つ。早春らしい響きがありますね。

「清流に洗ふ田芹の香けり」(清水恵山

田畑が水田になった頃ですから、もう少し春が過ぎた頃でしょうね。芹は早苗に張られた水の恩恵を受けて側溝にノビノビと生い茂ります。それを母と一緒に、根絶する作業を日がな一日したことがあります。根から抜かないと、甲斐なく一気にまた蔓延ってしまいますので、株毎に丁寧に引き抜き、放置しておくとそこでまた繁茂するので、ビニール袋に詰め込んで運び腐らせますが、泥水を吸った根は重たく、この運び出しが大変な作業となります。

「ぼろぼろの芹摘んでくるたましひたち」(飯島晴子)

そんな憎々しい草なのに、母は美味しそうな葉を見つけると澄んだ水で洗い取り置き、それですき焼をよくしてくれました。これが牛肉の余り好きでない私でしたが、芹の香味で美味しく食べられたものでした。今頃、向こうでも芹摘みをしているのでしょうか。食することもないだろうから、残り物を拾うように痛んだ芹を摘む姿が、この句と重なります。

「芹レタスセロリパセリよ血を浄めよ」(山本左門)

分かります。時たま、この勢揃いした野菜を御飯代わりにボールに入れてバリバリ食べます。全身の血が浄められるような気がします。今は、まだ冷え込む時期なので、市場で売れ残りの賞味期限が切れそうなキャベツを丸ごと買って来て、ストウブ鍋で無水にして詰め込み煮込み、ひたすら食べます。

「薄雲る水動かず芹の中」(芥川龍之介

泥水から掬い上げた芹の茂みがなくなると、その水はとても澄んでしました。さて、野菜の大食いぐらいでは血は澄むでしょうかしら。強靭そうな芹ですが、綺麗な水のところにしか生えないのだそうです。最近は、どこにでも見かけるものではなくなったのかもしれません。

 

浮世絵展覧会のチラシをデパートで見つけ少し縮小コピーしたのをウオールステッカー用に切ってみました。

f:id:masasarah:20160223094223j:plain

Vladimir Jankélévitch

Avant, Pierre n’existait pas, et aujourd’hui il est né. Depuis aujourd’hui il existe. Et tout le monde trouve cela assez normal, que quelqu’un qui n’était pas se mette à être.