切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

春が来る:猫踊る

「素通りできぬ蓬の出でにけり」(高木千鶴子)

ぐんぐん気温が上がっているのでしょうか、木々がむくむく目覚めているようです。先日、所要で日頃通らぬ住宅街の坂を登ったのでしたが、急坂は運動不足が祟り情けなくも息切れする始末。綺麗なお洒落な家並みが続くのですが、元々は山間の農地でしたので、人通りのない空地の日溜りには蓬が芽吹いています。足腰休めと言い訳作り、時間がそんなにある訳でもないのに、腰を下ろしてしまい、ちょっとのつもりが、どうしてもそのまま見過ごすことが出来ずに、新芽を摘みつくしていました。

「蓬摘みふつと聴こえ母の声」(谷岡尚美)

昔はまだまだ血気盛んな祖母が居た頃は、彼女の号令で、この時季になると一年分の草餅用にと蓬摘みに駆り出されましたが、いつだったか、母が思い出したように蓬餅をしようと言い出し、二人で手分けして積みに出た事があります。昔と違って畦は減り、排ガスが降りかかる所に犬の散歩道を避けたりしていると、中々ベストの場所はなく昔の記憶を辿りに蓬の住処を捜したのでしたが、帰路に着くと自転車でどこまで走ったのか、母は数倍大きな袋にどっさり摘んで来たのでした。

「蓬摘み来たる指先染まるほど」(稲畑汀子

時間も忘れ摘んでしまい、慌てて衣類に着いた枯草は払ったつもりでしたが、電車に乗って、はたとわが手を見たら詰めの中まで緑黒くなっています。慌てて手を隠す始末。

「よもぎ茹で緑濃き水捨て惜しむ」(望月久美子)

摘んで来た蓬は一晩水につけて、私は一端茹でたのをそのまま冷凍します。それで思い立った日に、凍ったままで刻みます。そうすると、手間なく微塵切りに出来ます。さて、先日作った大福餅の餡子が残っているので、お彼岸には蓬大福を作って、墓参りでも出来るといいのになあっと思っていますが、ワンカップ大関も忘れずに。

 

猫の動きは絵になります。ただ、小さい猫に足跡を並べるだけでは、一枚のシートには収まらないので、唐草模様でつなげてみましたが、何やら何だかわからなくなってしまっていますね。エサの魚までは転がっているのですが、わかりますでしょうか。

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Aucun homme n’a assez de mémoire pour réussir dans le mensonge.