切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

歌川国芳の猫②

「名に似ず見れば愛らし花馬酔木」(吉田静代)

この字を見ると、父の書棚が思い出されます。並んだ俳句雑誌「馬酔木」。父の職業は新聞社校閲なんてことをしていましたから、朝昼いつも逆転でほとんど家では寝ている姿しか見た事がなかったのですが、珠の休みだったでしょうか。どうして二人だったのか、屋根の上に登って句を作らされた事があります。好き勝手に手を折り曲げながら紡ぐ私のジャレ事を熱心に修正していましたが、脳裏に残っているのは屋根から見えた菜の花畑の黄色と空の青色です。父は私には所作に成績の事も、まして将来の事になどにどうこうと指図したことのない人でしたが、このひと時が私への思いだったのだとふと過ることはありますが、それまでです。

「風そよと萬の鈴振る花馬酔木」(杉山寿美)

馬酔木の花形は、スズランや柊南天の花と同形で、さながら鈴のようですが、これには字の如く毒性があるのだそうです。この花の落ちている姿を見ると私の脳裏に浮かぶのがタクシーの助手席に散りばめられたこの花です。曽祖母が先祖の墓参りにと馬酔木の花束を持ちタクシーに乗った途端脳梗塞をお越し倒れたのでした。その後、結局曽祖母は寝付くこともなく田植えの苗を握りながら泥の中にのめり込むようにして他界しました。

「咲くより垂るるこころに馬酔木咲く」(林翔)

そんな曽祖母がこの馬酔木の花と重なります。

「指先の汚れ罪めく花馬酔木」(木内憲子)

昨日の新聞に掲載されていましたが、大辞泉が一般からの「解釈」を公募しているのが紹介されていましたが、中々実感があり面白いですね。

【自由】「義両親と同居じゃないこと」、【愛】「誰もが努力次第で持ち得るもの」、
【大人】「世の多くの男性がなかなかなれないもの」、【友だち】「別れない恋人」、【カワイイ】「わしの孫」――

 

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Interpréter consiste toujours à mettre en équivalence deux textes : celui de l'auteur, celui de l'interprète.”