切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

木綿染めミニサイズ⑥

雑草もあるがままなる花野かな」(杉本杏花)

昭和天皇のお言葉に

雑草という草はないんですよ
どの草にも名前はあるんです
そしてどの植物にも名前があって
それぞれ自分の好きな場所を選んで
生を営んでいるんです

「やっぱり一人がよろしい雑草」(種田山頭火

樹木希林のCMでそれにつれて、

「ひとりじゃさみしい雑草」とつぶやかれているそうですが、私としては、風流人の風情には浸れず、好みの草花の天敵になる物は抜かないとおれない性分で、それもまた困ったものです。

「引きゐたる寝っこの長き春の草」(松本八重美)

草引きという言い方は関西弁なのだそうですね。草取りというのが一般のいい方だとか。草刈りというのは異質なものです。草引きというのは、一草ずつ根から引き抜くことです。

「春の草巻き込んで土裏返る」(諸橋廣子)

今日のように雨上がりの好天気になりますと、草引きには恰好の日です。雨で土が柔らかくなっており、どんな根を這った草でも容易に引き抜くことが出来、他所の庭の草まで抜いてしまいたくなります。

「田草取る足跡深く残りをり」(姉歯義ひろ)

田植えが終わると、草との戦いが始まります。10日後に取る草を「一番草」稲の花が咲く頃まで炎天下の中、生えた雑草を引き抜き、葉先の害虫を毟り、泥濘のジャンボタニシ拾いと中腰の作業が延々と続きます。水田の中を歩くので、専用の水の入らないゴム地下足袋を履きますが、足首の締め付けで脱いだ後には被れて湿疹がびっしりできます。祖母はほとんど毎日でしょうか、その足袋を履き、専用の除草機にもたれかかるように押しながら鋤きに行ってましたかしら。今では除草剤で全てが済まされているのでしょうかしら。

「草むしり根気の切れを思ひけり」(後凋庵)

こんな根気も機会が無くなり、育たなくなっているのでしょうか。今日は『缶の日』だそうですが、缶切りなどと言うものも、もはや存在せず、キリキリ開けるその数秒すらもが一瞬のプルトップで開いてしまいます。今に『根気』という語も死後になるかと、思うと我が特技も化石化するのでしょうね。

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Autrefois, on faisait un livre comme on élève un enfant, avec diligence, avec patience.