切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

透けるプレート:小さな職人たち

「泰山木の花ぽっかりと雲の下」(白倉智子)

降るようで降らない、どんより天気が続いています。こういう湿度の高い薄墨色の空には、香高まるのか、ふと佇み見上げたくなるのが泰山木。

「泰山木の花黄ばみつつ落ちにけり」(岡本高明)

大きな花ですから、花びらは肉厚もあり、それが雨に打たれて落ちると、濡れた地面に茶けた布きれのようにこびりつきます。

「天へ咲く泰山木は人嫌ひ」(竹内悦子)

名前の由来は、やはり樹木の姿から来ているのでしょうね。泰然と立つ姿は孤高の木ですね。これぐらい何事にもビクともせず悠然としてたいものです。昨日、滅多に通らぬ道すがら,草一本もが見逃されることなく一掃された一角を見つけました。四畳半ぐらいのスペースなのですが、そこに多種類の花が丹精に育てられ四季を通じて絶えることなく花が咲いていたのですが、横には小さな物置だけがありました。一度手入れの主らしきおばあさんが水遣りをされていたのを見かけたので、多分どこか別所に住まわれ花栽培の嗜みだけの為にその土地を使われていたようでしたが、おばあさんに何があったのでしょうね。一年草だけでなく、宿根草や紫陽花、さつきなどの木もありましたのに完全な更地になっていました。どんなに愛情込めて育てても、見るものには単なる無用の長物となるのですね。

「天ばかり仰ぎて泰山木の花」(山田暢子)

おばあさん、花楽しませて頂きありがとう。またどこかで花仕事されていることを祈っています。合掌。

 

藤田嗣治の「小さな職人たち」のプレートを窓辺に吊るせるようにまとめて繋げてみました。縁取りに使ったマスキングテープの色があるので絵自体には色付けはしませんでした。

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Il y a de la noblesse à éprouver son insignifiance, de la noblesse à savoir qu'un coup de vent peut balayer nos vies et ne rien laisser derrière nous, pas même le vague souvenir d'une petite existence.