切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

額に収める:ビアズリー

「この町はみな出払って枇杷熟れて」(寺田良治)

枇杷の実のたわわに熟れて人住めず」(久保田一豊)

「人絶えて久しき家や枇杷熟るる」(松宮育子)

小さな、それでもしっかりそれぞれが黄色く熟れた枇杷の木が塀越しに見える空き家が目に留まる季節。枇杷って世話要らずなのでしょうか。去年の落ち葉までが梢に蜘蛛の巣に絡まり、茶けた中にしっかりしがみついている実。決して美味しそうでもないのですが、何だか置いてきぼりしてしまう事が出来ません。

枇杷の種みがき上げたる艶もてる」(西村しげ子)

枇杷の葉もそうですが、この大きな実も健康食品の品目の一つではなかったでしょうか。何の効用になるのか、母がどこかの宴会でデザートに出された実を集めまわって嬉しそうに持ち帰ったのが思い浮かびます。果肉よりもはるかに艶やかで捨てるには確かにもったいない気がしますが...

枇杷の実の硬く気持ちの行き止まり」(河野志保)

最近、恥ずかしくもなく、切り絵作品を風呂敷に包んで行商を始めました。店屋に持ち込んで「これ、いいでしょう」と自分で自分の作品を絶賛しています。本心であるとふと口に出しながら、その声にドッキリしています。そうして相手の空いた塞がりようのな口で漸く気づきます。

枇杷の皮きれいにむけて一呼吸」(八木下巌)

さあ、こんな風にクルリ、スルリと剥けてみたいものです。

Si non, je pourrait devenir la nefle dans le jardin sans personne. 

 

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