切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

若冲の天井絵②

「夏あざみ雲の中より切りて来て」(神臓器)

近所に砂利を敷き詰めておられる庭が見えるのですが、そこに毎年薊が数本出て来て咲かせます。今年は逃さずに種をもらおうかなっと思っていましたのに、どんな不具合が生じたのか先日通りがかったら全てが立ち枯れていました。その飛び火でしょうか。一本離れたガレージにすっくと立っていましたが、蕾がありません。

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「大江路に鬼の化身や夏薊」(坂根宏子)

ホントに、鋭い棘だらけの葉と茎に花びらまでが棘のように見える厳しい花です。ある会の恩師の好きな花が薊でした。会員の中の人が別に気に入られたい思いではなかったのですが、薊の油絵を先生の誕生会で贈り物にしようと思って差し出されたら、その場でそれを真っ二つに割られました。好意とは両者の関係が不文律ですと、悪意にしか取られなくなるのだと初めて悟らされたワンシーンでした。

「何もかも気に入らぬ夏薊」(吉田葎)

贈った方は、ずうっと夏薊を見る度にこんな句がついこぼれているのかもしれません。

廃線の鉄光たる夏薊」(いしだゆか)

そうなのです、薊はもともと湿地には向かないのかもしれません。近所のお庭も砂利が敷き詰められて雑草ひとつ生えておらず、鉄柵は朽ちていて、住人がおられるのやら不明のおうちでした。そんなところがよく似合う花です。

「遊具みな錆びつきしまま夏薊」(石崎そうびん)

誰に見られなくとも、背筋を伸ばし、心を研ぎ澄まし霞むことない色に染めあがり咲きます。

「人はひと我はわれなり夏薊」(永田歌子)

容赦ない恩師で、何を怒られているのかも分からないまま一体何年通っていたでしょうか。薊を見ると、恩師の叱咤が刺さった古傷が傷みます。

「いきいきとはげみし日々や夏薊」(松隈絹子)

師は、灰皿までは飛ばさなかったですが、唾を飛ばし、血圧上げてぶっ倒れる寸前まで怒り飛ばしていましたが、それでも変化しない私ですが、脳裏のとこかにはいつも生きています師の叱咤は。お元気でおられますように願っています。

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Les destins sont jaloux de nos prospérités, Et laissent plus durer les chardons que les roses.