切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

若冲の天井絵④

「昼顔の静かに咲くや歩道脇」(津田喜美)

さほど暑い日が続くわけでもないのですが、街路樹の隙間を縫うように昼顔が咲いているのを見かけました。夏の到来なのですね。朝顔の季語は秋となり、昼顔は夏。

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「昼顔にレールを磨く男かな」(村上鬼城

昼顔というのは、剛健なのでしょうね一番よく目に留まるのが車中から見える線路沿いのフェンスに絡まって咲く姿ではないでしょうか。ひと昔前は、線路を磨く作業をしていたのだそうですが、炎天下に汗水たらしてする姿と何の恩恵も受けなくとも健気に咲く昼顔の組み合わせに、見逃してしまってネグレクトされている物の多さを痛感します。

「昼顔に紙の日の丸掛かりをり」(吉田汀史)

マラソンランナーの声援に使われた旗でしょうか。それが捨てられ鉄柵に張り付き、その合間から昼顔の花が覗いているのでしょうか。こんな国旗に心が動く人もさてどれだけおられるのでしょう。新たな元素記号の名称が「ニホニウム」に発案されているとか。ニホンとは日本語であって英語ではジャパンですから、「ニホン」の音から日本を連想できるのは?日の丸の旗と同じ道のりになりませぬように。

「昼顔の見えるひるすぎぽるとがる」(加藤郁乎)

音がころころ流れているような句で、別に作者がポルトガルに居たり、この国が昼顔と縁があるわけでもなく、単に音の連想でつなげた句なのでしょうが、「ニホニウム」も同じ連想をする人が居る事、昼顔の存在と同じであってはちょっと空しく響きますね。

 

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L'innocent liseron, nourri de sel amer,
Fleurit sous les blocs noirs du vieux mur de la mer.