切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

Jan Pienkowskiシリーズ③

「転けし子の考へしを秋天下」(上野泰)

いつでしたか、姑を乗せた車いすが持ち手の重みが勢い掛かり過ぎて、持ち手側を地面に叩きつけてしまったのです。当然姑は足が宙を舞い、一瞬にして一面が空になってしまった訳です。全体重のかかってしまった持ち手側は私の力ではビクともしません。ちょうど交差点の信号を渡りそびれた箇所だったもので、偶々、車で通り過ぎようとされた心優しき方が車を停めて駆けよって来て下さり何とか起こす事が出来ましたが、一体何分間の出来事だったのか。それから当分、姑は車椅子で数回転したと武勇伝となり、その回転数は話す度に増えて行きましたが、車椅子体験のない私には、実際のところはその一面の空の感慨は想像するしかありません。

「戸隠の天へつらなる凍豆腐」(佐川広治)

関西では、高野豆腐というのですが、かるたのように紐でつながれた豆腐が何列にも吊るされて並ぶ姿は圧巻でしょうね。干ぴょう干しもまだ見たことがありません。気温が零下にならないといけないそうですが、澄み渡る空に律儀にお行儀よく、風に身を任せて揺られる豆腐の姿、何だか、空に向かって無抵抗にもかかわらず足をばたつかせ続けた姑の姿がかぶります。ごめんなさい。

 

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On s'est rhabillés dans la lumière de la nuit, sous les yeux des constellations enfilées comme des perles autour du cou du ciel voyeur. Sur la plage, j'observais nos corps gris qui ressemblaient à de la pierre ponce.