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切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

アールヌーボー風:曲線修行13

「御手洗を敲’(たた)いて砕く氷かな」(夏目漱石

阪神大震災から22年の日。月日とは経つものです。建て替えられた街並みは、瓦屋根が消え新建材が目につきましたのに、今となってはごく当たり前の風情になっています。昔、庭先に置かれた石をくり貫いた手洗いが氷り、その厚みで寒さへの覚悟をしたものでしたが、最近は氷るのを見かけたことがないような気がします。

「ひとびとよ池の氷の上に石」(池田澄子

思えば、うちの近所には池がありません。実家の周囲にはため池が何か所があり、登校の度に、石を投げて氷った水面を滑って行くのに興じたものでしたが、今は寒い日は外に一歩も出ないでも暮らせるというお気楽身分。寒さの感度も鈍っているのでしょうね。テレビ情報ですが、寒い程、新陳代謝が高まるので、冬の方がやせられるのだとか。

「瓶破るるよるの氷の寝覚哉」(芭蕉

こんな光景も経験しなくなりました。異常気象はよく耳にするようにはなりましたが、温暖化は進んでいるのでしょうね。「どてら」という語が若者の間では「どら焼き?」などと和菓子の一つに思う人が居るとか。「ねんねこ」「半纏」「とんど」...まさか、たき火は健在ですよね?いえ、環境の配慮で安易に出来るものでもなくなり、しめ縄を燃やすのも容易ではなくなって来ているのでしょうが、しめ縄を飾る家も見かけなくなりました。月日も経てば風化していくのでしょうが、何とも寂しくもありますが、忘れてならない事、忘れられないものが、この日の来るたびに蘇るのもつらいものです。

 

アールヌーボー風柄で検索をして見つけた模様です。

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“Le bon sens chez les jeunes, c'est la glace au printemps.”