切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

ステンドグラス風ーさかなとさかな

「日盛に時を違へず郵便夫」(飯岡良一)

7月も漸く終わり。「もう終わり」とは決して思わぬのも、この湿度の高い暑さの所為でしょうか。こんな夏日の中でも、最も照り付けのきつい正午から3時頃に律儀にも郵便屋さんは配送に余念がないです。ご苦労様ですが、申訳なくもDMがほとんどだけに汗も空しく流れるかと思うと、世のシステムの無駄さが暑さを倍増させるようです。

「日盛や手すりも熱き歩道橋」(保坂道子)

手すりというのは、必要のない人にはその素材がステンレスであろうが、木製であろうが、磨かれていようが埃ぽかろうが頓着ないことでしょうね。私も流石に若い頃はそんな物が階段の両サイドにあろうがなかろうが気にも留めた事はありませんでしが、足が不自由になった折初めて気づいた事があります。JRの駅でしょうが、全ての駅でもないのでしょうが、木製にしてある駅があります。冬は暖かく、夏はひんやりします。樹の優しさでしょうね。エレベーターのないマンションでも、若い世代の多い処は登り詰めると手が真っ黒になったりします。うちの家も姑の為にと付けた手すりですが、今では夫婦して重宝しているとは。不自由にならなければ気付かぬ事の一つだけの事ですが、想像力の不足なのでしょうね。もっともっとアンテナを張り巡らせたいものです。

「佃煮の暗きを含み日の盛り」(岡本眸)

さて、この情景を想像できますでしょうか。夏の盛りになると、残り物をサランラップもしないで放置していると干からびて、白っぽくなる光景が目に浮かびます。そんな中で、神宗の昆布の佃煮なんていうのを、対比して思い浮かべると、この句が鮮明に浮き上がって来るのでしょうか。主婦なら簡単に想像できても、台所などに立ったこともなく書斎にばかり閉じこもっていると、手すりの温度差も、食べ物の変化にも気づけないままとは。医者と患者、先生と生徒、上司と平、持つ者と持たざる者...珠には違う靴を履いてみるのもいいのでしょうか。暑くともサンダルばかり履かずに革靴も履いてみる?それにしても暑い日々。ご用心下さいませ。

 

夏らしい魚の絵柄を透かし和紙を生かして重ねてみました。水泡のバランスが難しく、水草はくどいかと抜きました。出来上がった作品の背景には捨てられたパーツの存在など

想像する人は居ないでしょうね。

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“Le visible ouvre nos regards sur l’invisible.”