切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

春がそこまでー写経①

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木瓜咲くや漱石拙を守るべく」(夏目漱石

大家漱石師ぐらいでないと、『拙を守る』などとは軽はずみにも言えないのでしょうね。私など、あの世に逝くまでもなく、一貫木瓜。どこかで熱帯魚の入った水槽を見ると思い出すことがあります。昔、家族でグッピーエンゼルフィッシュを飼っていた頃、気を回して一人で水を替えようと、今から思えば大きな水槽をどうやって外の水道まで持ち出したのか記憶にないのですが、無配慮に、そのまま傾けて水を流そうとしたのです。多分その前にさすがに魚さんはどこかに救い出したのでしょうが、どうなりますかわかりますよね。敷き詰めていたそこの砂利が傾き重みで水槽にピキっと亀裂が入ったのでした。馬鹿もここまで来ると...最近、この画像がよく蘇ります。

「世間には拙を守るという人がある。この人が来世生れ変るときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい」(『草枕』)

今回の出品では、声を揃えて「上手ねえ」っと言って頂くことが多々あり、まるで外国の方に箸使いを見て「お上手ですねえ」と言われているようで、その彼らの心境を痛感した次第ですが...ある方には「文化祭だね」っと言われたことで、『拙』意識を見過ごすことなく、真摯な態度で丁寧な仕事をしていきたいものです。ご指摘に感謝です。まだまだ懲りずに木瓜っぱなしながら、踏ん張ります。ありがとうございます。

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そう言いながら、雑切りですが、下敷きに蓮模様を重ねるつもりですので、最終補助線を全て切り落とす予定です。乞うご期待下さい。

  L'imbécile ne voit pas ce qui est, le sot voit ce qui n'est pas.