切り切りMme

自作の切り絵を紹介する

蒼山日菜の依頼①妖精とつる草-2

「青柿の一つ落ち屋根に猫眠る」(阿部みどり女)

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「青柿の闇を濁さず落つる音」(斎藤みゑ子)

昔、実家には一体何本の柿の木があったのか数えたこともないのですが、この時期になると、小屋のトタン屋根に落ちる音が雨音に交じり聞こえたことが、ふと句を拾いながら思い出されます。

「青柿落つ天か重荷をおろしけり」(成瀬桜桃子)

先日の朝刊一面記事に、「老衰死因3位に:脳血管疾患抜く 長寿増加が要因」

が目を引きました。老衰とはいわゆる「自然死」で戦後1947年をピークに減少傾向だったのが、01年以降増加が続いているのだそうです。今回、約37万人の癌、約21万人の心疾患に続き、全死因の8%を占めたのだそうです。総務省の統計によりますと、90歳以上の人は昨年10月現在で約218万人。10年間で90万人増加し、老衰による死亡は高齢になるにつれて割合が高まり、95歳以上では死因の一位になるのだと。これははてさて良報になるのでしょうか?どこか、哀しい響きのあるデータに思えて来て、どこからか、悲壮感漂う声が聞こえて来ないでしょうか。さて、熟れることなく落ちる青柿は、うらやましがられているのでしょうか。

「青柿を踏み忘れたき悔のあり」(石川文子)

昨日、夕方でしたでしょうか。うちの前の路地で「パシャーン」と何かをへしゃげる音がしました。何を押しつぶしたのかと思っていましたら、誰が置いていったのかペットボトルがペシャンコになって転がっていました。よりにもよって、何もうちの前で押しつぶさなくてもと思いますが、世の中には、偶然が偶然を重ね、まるでテレビドラマのような数奇な出来事とは起こるものなのかもしれません。私にとっては、主人の癌宣告はまさに青天霹靂。

9年も前になりましたが、夫婦そろって「アミノインデックスがんリスクスクリーニング検査」というのを一万円何某かかけてしたのでした。この検査は血液検査によって、血液中の各種アミノ酸濃度から健康状態や疾病の可能性を明らかにする技術を活用した解析サービスです。癌に罹患しているリスクを予測する検査で、罹患確率をAICS値として数値化していました。胃、肺、大腸、前立腺/子宮卵巣の項目で出ますが、主人は前立腺がランクB5.1(<10)それ以外はランクAという好成績。私は、大腸と子宮・卵巣がランクAに対して肺と乳腺はランクC9.9(<10)なのにです、一体どういうことだと言うのです。

その後、主人は三万円もかけてDeNAの遺伝子検査を2014年にもしていましたが、その結果からも癌とは無縁の人を刻印されていたはずでした。老衰するのみかと思い、過るのは認知症と、2018年には夫婦で発症前の予防として軽度認知障害のリスクを判定する血液による検査:MCIスクリーニング検査というのもしましたが、主人はA。私はB(<D)。検査費用二万円なり。まさに、天寿を全うする人と数万円かけて、太鼓判おしてもらったはずが、っと言いたいところですが、月日は流れました。今は、天寿癌という、天からの授かりものと有難く受けたいところです。グシャリト踏み外さないように、ネットだけでない人の声に耳を傾けていきたいです。

「青柿の下にやさしい顔あつまる」(加藤青女)

主治医の先生が主人だけでなく私も人柄に好感が持て、会話が両方向になるところが気に入っております。それもこれも、一つの縁で結ばれているのかもしれません。

「全摘手術」「外部放射線(IMRT)」「内部放射線(小線源Brachy)」この三つの選択も、究極のところは本人の好き嫌いで決めるものだと先生は言われます。これまで、様々豪運をつかんできた主人です。どんな選択をもべストにできるのだと信じています。

般若心経が20枚になりました。朝のお経暗記は残すところ3ページになりました。聖書書き写しは、ルカからスタートですが、まだまだ1章も終わりませんが、パリ旅行のどこかの教会で貰ったのが英仏独で書かれていて、行きつ戻りつ読んでいきます。念じていて下さい。

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On dit "une belle mort", comme si la mort pouvait avoir droit à l'esthétique, au raffinement et à la souplesse.